株式会社sustainacraftのNewsletterです。
再度、Webinarのお知らせです。自然由来のボランタリークレジットに関するセミナーを5/24に実施しますので、このURLよりぜひご参加ください。
また、日経新聞でも今回リリースしたプロダクトを取り上げていただきました。
これまで自然由来プロジェクトのクレジット過剰発行に関する問題として、REDD(森林減少・劣化の抑制)のプロジェクトについては何回か扱ってきました。今回は、IFM(Improved Forest Management; 改善された森林管理)に関する品質の議論を紹介します。REDDやIFMなど、プロジェクトタイプについての概要説明は以下をご参照ください。
基本的にはIFMは、伐採を伴う森林管理をしている地域において、伐採を完全に止めたり、伐期(伐採間隔)を長くしたり、環境負荷の低い伐採のやり方を導入するための機会損失をカーボンファイナンスによって支援する、という位置付けになります。
IFMプロジェクトは、2008年に最初のクレジットが発行されて以来、1億9,300万個のオフセットクレジットを生み出しました。その大部分は、ACR(American Carbon Registry)、CAR(Climate Action Reserve)、Verra(Verified Carbon Standard; VCS)のものです。現在までにIFMプロジェクトは、VCMで生成された森林ベースのオフセット全体の28%、全クレジットの11%を生成しています。
VCSのIFMの方法論はいくつかありますが、最近の方法論について説明した記事が以下にあります。
IFMのクレジットのほぼ全て(約94%)は米国内のプロジェクトであり、その多くのプロジェクトは、ベースラインシナリオに対して、伐採を削減することによる炭素蓄積量増加分をプロジェクトの貢献として主張しています。
これに対して、IFMプロジェクトのクレジット過剰発行の問題を整理したレビュー論文(Comprehensive review of carbon quantification by improved forest management offset protocols)がバークレー大学のBarbara Haya氏らからFrontiers in Forests and Global Change誌に今年の3月に発表されました。
今回は、この論文と、この論文を取り扱ったメディアに対する反論記事を紹介していきます。