株式会社sustainacraftの第7回Newsletterです。
森林プロジェクトは、大きくAUD(無計画な森林減少の回避)、ARR(植林・再植林)、IFM(改善された森林管理)に分類されます。自主的炭素市場の一つであるVerraにおいて、現在それぞれのカテゴリーについて方法論の大きな改訂が進められています1。
今回は、IFMに着目し、Verraにおける既存の方法論、これまでの複数の方法論を統合する形で現在開発中の新たな方法論、そして米国のスタートアップNCXが提案している方法論の3つを紹介します。
第6回のレターでは、AUDを想定したベースライン推定方法について技術的なトピックを扱いました。IFMでは、AUDとは異なる考え方でベースラインが算定されます。プロジェクトの効果を定量化するという観点では因果推論の技術がどちらも使われますが、問題設定の違いにより、異なるアプローチが提案されています。その辺りの違いについても触れながら記載しますので、必要に応じて第6回のレターもご参照いた
だければ幸いです。
PickUp Section
今回は、IFMに関する3つの方法論を紹介していきます。ベースラインの考え方、プロジェクトの排出量算定の考え方、リーケージや不確実性の評価、モニタリングの項目に分けて、提案されている内容を紹介します。
Methodology for Improved Forest Management
(出所: Verra)