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2025年1月 Methodology Updates (2024振り返り)

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2024年における方法論改訂を中心とした振り返り

Jan 14, 2025
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2025年1月 Methodology Updates (2024振り返り)
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株式会社sustainacraftのニュースレターです。Methodology Updatesは、炭素・生物多様性クレジットの方法論を扱うシリーズです。

今月は、新年1本目として、方法論の改訂を中心に、2024年の1年間の動きを振り返ります。今年も、引き続き自然由来の炭素クレジット方法論を中心に、様々な情報を定期的に発信していきますので、よろしくお願いいたします。


以下、UNFCCCやボランタリーカーボンスタンダード(Verra、Gold Standard、ACR、CARなど)やIC-VCM、SBTi、VCMIなどから発表された内容を表示しています。横軸には日付、縦軸にはトピックを並べており、2024年に発表された主要なものを表示しています。

この記事では方法論を中心に紹介しますが、IC-VCMのCCPや、CORSIAなど、方法論改訂に影響を与えているイニシアティブの動きも合わせて整理する必要があるため、図においてはそれらも含めた形で可視化しています。

ここからは縦(トピック)の観点から紹介していきます。適宜、それぞれを解説する過去の記事についても参照していきたいます。

注: 本記事は、それぞれのトピックについてある程度の前提知識を所与とし、その上で1年間を広く振り返る事を意図しています。各トピックについては、それぞれのセクションで参照している過去記事などを参照ください。


以降、トピックとしては以下を並べています。()内はアナウンスを発表している主な機関です。

  • パリ協定6条2項 / 6条4項(主にUNFCCC)

  • BVCMやScope3(SBTiや各カーボンスタンダード)

  • Standard / dMRV(主に各カーボンスタンダード)

  • 各種方法論; REDD+, IFM, ARR, biodiversity…(主に各カーボンスタンダード)

  • CCP, CORSIA(IC-VCMやICAO、各カーボンスタンダード)


それぞれのトピックについて、その概要と、トピックについて解説した過去記事を整理します。

  • Article 6.4 / 6.2(パリ協定6条2項 / 6条4項)

    • パリ協定6条2項や6条4項に関しては、主にUNFCCCからの発表が並んでいます。

    • 先月の記事にて解説した通り、COP29開催の直前に6条4項の方法論スタンダードおよ除去活動スタンダードが合意されました。今後、これらをもとにそれぞれの活動タイプの方法論が開発されます。

      • 2024年12月: 6条4項方法論スタンダード

      • 2024年12月: 6条4項除去活動スタンダード

    • 今年の5月にもCall for Inputといったパブコメのアナウンスが多く出されていますが、今回の基準はこれまでに数年間かけた検討を通した複数回の改定を経て合意に至っています。

    • 上記記事でも記載していますが、今回発表された6条4項メカニズムの基準自体、これまでの炭素市場における批判や指摘を踏まえた内容になっており、今後は2国間取引である6条2項や、ボランタリーカーボンスタンダードも、この6条4項スタンダードから乖離した要件が設定される場合は批判的に見られる可能性が高いと考えます。

    • 回避・削減系の活動については「ベースライン」設定の保守性の担保、吸収・除去系の活動については「反転」も含めたモニタリング要件について、特に厳格な要件が定められました。

  • BVCM / Scope3

    • BVCM(Beyond Value Chain Mitigation: バリューチェーンを超えた緩和)は、言葉としては広がっているものの、BVCMとしての炭素クレジットの調達はあまり広がっていないように見受けられます。

    • Scope 3は、2024年を振り返った際に大きく動きがあったトピックの一つです。

    • Scope 3の排出は、企業にとってGHGインベントリーの内数に含まれるものになりますので、炭素クレジット化することは必須ではありません。しかし、「オフセット」から「インセット」への移行を表明する企業が増えた中で、二重計上がないことの証明や、算定における厳密性・保守性が課題として挙げられており、これらを担保するために既存のカーボンスタンダードを用いていくという動きが加速しています。

    • このような中、VerraやGold Standardなど古参レジストリーはScope 3向けの独自プログラムを開発し、パイロットを複数企業が推進し始めています。

    • インセットについては、「何をもって企業バリューチェーンの内部とするのか」、という定義が最重要論点であり、これについては今年中の発表が予定されているGHGプロトコルの改訂版を待つ必要があります。

    • また、Scope 3の排出に対する炭素クレジットの利用については、SBTi及びVCMIから様々な発表が出されました。

    • これらのトピックについては、以下の記事や、こちらのセミナーにて詳細な解説をしています。また、炭素クレジットを用いた環境主張については、パリ五輪に関わるユースケースや欧州の法規制やガイドラインを中心に、こちらのセミナーで紹介しました。

      • 2024年3月: SBTi が、Beyond Value Chain Mitigation (バリューチェーンを超えた緩和)に関するレポートを発表

      • 2024年9月: VCMI(Voluntary Carbon Markets Integrity Initiative)が発表したScope 3 Claim

  • Standard

    • ここでの”Standard”とは、REDD+やARRなど活動タイプごとではなく、より上位のカーボンスタンダードレベルでの改訂を主に指します。

    • Verraにおいては、VCS Standard「4.6」などのマイナーアップデートに加え、「5.0」のメジャーアップデートに関するアナウンスが2024年後半に発表されました。これらはCCPやCORSIAの要件への対応が強く意識されています。

      • 2024年4月: VCS Standard 4.6の説明

      • 2024年10月: VCS Standard 5.0ドラフトの説明(1)

      • 2024年10月: VCS Standard 5.0ドラフトの説明(2)

    • ドキュメントとしてはVCS Standardとは別になりますが、同じく活動タイプ横断で用いられるVerra独自の追加性ツールについての発表もありました。再エネ方法論はIC-VCM CCPのカテゴリーレベルでの審査を通過しませんでしたが、その大きな理由がこれまでVerraが利用してきたCDMの追加性ツールの問題と言われています。CCPへの対応を念頭においた新しい追加性評価ツールのドラフトが9月に発表されました。

      • 2024年9月: Verraの新しい追加性ツール

    • Verra以外のレジストリーも、スタンダードレベルの改訂を発表しています。

  • dMRV(Digital MRV; Measurement, Reporting, and Verification)

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